2005-08-10

優勝候補筆頭?
 ― 2005夏 甲子園観戦記2

第3試合: 大阪桐蔭(大阪)4 - 1 春日部共栄(埼玉)

さて第3試合、この日 本命の試合がやってきました。まず、試合前練習ですが、さすがは大阪地区の優勝校。守備練習の回転の速さが他校の比じゃないですね。直前の関西や高岡商の倍近いスピードでノックが進んでいきます。しかもローテーションでまわっている控えも含めた全ての選手の肩が桁外れに強い!ノックの打球も正確にコントロールされていて、さすがの一言です。一方の春日部共栄は、大阪桐蔭のノックと比べると選手個々の肩の強さや体格では明らかに劣っていたものの、ノックの効率や練習の密度ではやはり関西や高岡商を完全に凌駕していました。こちらも期待できそう。

それにしても、さすがに準地元 大阪代表で、しかもプロやメジャーのスカウトが注目する選手たちがいる大阪桐蔭の試合です。平日昼間なのにも関わらず内外野ともにほぼ満員。1回表の大阪桐蔭 辻内の初球が 148km/h をマークした時、またそのやや後に 152km/h をマークした時などはものすごいどよめきでした。

超満員の甲子園球場
滅多に埋まらない外野席まで満員の第3試合。ちなみにマウンドにいる大阪桐蔭の投手は左の辻内ではなく、途中から代わった右の中田。

150km左腕 辻内の実力やいかに?

さて、まずは噂の本格派左腕 辻内ですが、何より驚かされたのは初回からいきなり 150km/h 台の球を事もなげに連投していたことです。あの横浜高校の松坂(現西武)ですら、150km/h 台の球なんてごくたまにマークする程度だったのに、初回から3度4度と 150km/h 台の球を見せられたのには本当に驚かされました。非公式記録ながら、オリックスのスカウトのスピードガンでは 156km/h をマークしていたという情報もあります。左腕でこれだけの速球が投げられるのは、目下 国内ではヤクルトの石井しかいないでしょう。とんでもない怪物もいたものです。結局、この日、150km/h 台を辻内がマークしたのはこの初回だけだったんですが(これ以降は5回に1回だけマークした 148km/h が最高。)、それでも潜在能力の高さは充分に見せてもらうことができました。いや、満足、満足。(^-^)v

ただ結論を言ってしまえば、現状では残念ながら彼はプロの世界では全く通用しないでしょう。理由は3つ。

1点目は不安視していた制球力不足。この日もワンバウンド投球・暴投・逆球・死球・四球のオンパレードで、ほとんど自滅といって良いほどの乱調ぶりでした。あれではそもそもキャッチャーが試合を組み立てられません。

2点目は球質。実は下馬評と地方大会のデータがあったので、辻内の自滅までは想定していましたが、さすがに春日部共栄に打ち込まれることまでは予想していませんでした。ところが本大会注目度ナンバーワンのピッチャーでありながら、それほど苦もなく春日部共栄打線に打たれているのを見て、「ひょっとして辻内の直球は、ただ球が速いだけで実は打ちやすいんじゃないか?」という疑問が不意に湧いてきました。特に緩いカーブも投げていたのにも関わらず、序盤から春日部共栄打線が狙い球を辻内のストレートに絞っていたのは非常に印象的でした。(つまり、ストレートの方が攻略しやすいということです。よっぽど思ったより打ちやすかったんでしょうね。春日部共栄の主将鶴岡の本塁打まで出たくらいですし。)球が速いだけなら、バッティングマシンで練習できるので、何もプロまで行かなくても甲子園レベルの高校球児なら 150km/h 台の速球であっても打ってきます。問題はタイミングの取りづらさや、球離れの遅さ、伸び、キレ、球質の重さといった、バッティングマシンでは出せない、打者から見た「打ちづらさ」の要素がどれだけあるかで、辻内の場合、そういう要素がまだまだ少ないのではないか、ということです。ちなみに元西武の 150km/h 投手の前田がとうとう日本でもメジャーでも通用しなかったのは、制球力不足もさることながら、これが原因でした。これをクリアしない限り、まずプロでは通用しないでしょう。(大学や社会人野球でも厳しいかも。)

3点目はメンタル面の弱さです。1回表、ワンバウンド投球だったかファウルチップだったかは忘れましたが、味方の捕手 川本の内腿に球が当たり、それからほどなくして今度は春日部共栄の3番井上のヒジに 140km/h 台後半の速球が当たりました。そのあたりから辻内の球速が急に落ち、以後、この試合で 150km/h 台の速球は出なくなります。翌日の報道で知ったことですが、彼は初回から相当動揺していたらしく、平静を失っていたようです。ピンチの時や、勝負所で抑えようというメンタル面の強さがプロのピッチャーには必要不可欠な資質なのは言うまでもありません。2回戦以降はもう少し良い状態を見られることを期待しましょう。

5回までは春日部共栄が奮闘

そんなこんなでこの試合はかなり荒れたシーソーゲームになってしまいました。春日部共栄のエース大竹は、緩急をつけたり、こまめに間を置いたり、牽制を入れたりと、かなりあれこれ工夫していたのが痛いほど伝わってきましたが、技量的には大阪桐蔭打線に通用するレベルではなかったように感じられました。(その意味では5回裏まで本当によく踏ん張っていたと思います。)試合の流れが変わったのは5回表。ついに辻内がマウンドを降りた時から。

投打の MVP、大阪桐蔭の伏兵 中田

辻内に代わってマウンドに上がったのは、10番をつけていたサイドスロー(アンダースロー?)の投手ではなく、それまで一塁を守っていた5番打者の中田でした。ここでまたスタンドからどよめきが起こり、僕の右手後方で観戦していたオッサンなどは「何で辻内を下げんだよ、アホか?!」なんてヤジを大声で叫んでました。(僕的にはむしろ代えて当然だと思うんですけど。)(^ ^;)ところがどっこい、投球練習を見てみるとびっくり。辻内とさして遜色ないくらい直球が速いんです。そう、どう見ても 140km/h は出てるようにしか見えない..。試合が再開されて実際にスピードガンの実測値を確認できるようになると、スタンドの観客もすぐにそれに気づいたようで、ここでまたどよめきが。(笑) いや、何と 140km/h 台後半も出てるんですよね(最速146km/h)。中田は代わった直後に2四球(押し出し)で1点を献上してしまいますが、即席で肩を作ったこともあるので、このあたりはまだ仕方がないでしょう。ただ、これ以降は7回に1点を許しただけで、4回1/3 のロングリリーフをこの 2失点(自責点は 1点)で切り抜けています。打っては7回の左中間ホームランを含む 5打数 4安打 3打点。文句なしでこの試合の MVP プレイヤーでしょう。帰宅して調査してみると実は彼が 1年生であることが分かってさらにびっくり。翌日のスポーツ紙の中には早くも辻内・平田からこの中田に鞍替えするような記事もあって、さすがにちょっと引きましたけど、実際、将来楽しみな凄い選手には違いないでしょうね。

超高校級スラッガー平田の方は、この日に限っては中田の影に隠れてしまっている印象がありますが、打撃面と走塁面で堅実な活躍を見せてくれました。特に脚が思ったよりも速いのに驚きました。

総評

春日部共栄は投手力が及ばず、惜敗してしまいましたが、打撃面についてはほぼ互角に渡り合っていたといっても過言ではなく、少なくとも5回表までは大阪桐蔭を押してました。この日で最も期待していた試合が、この日で最も荒れた試合になってしまったことについては、若干遺憾だといえなくもありませんけど、ま、そこに春日部共栄の勝機があるわけで、その意味では理想的な展開になった好試合といえるかもしれません。

ただ、大阪桐蔭が今大会 優勝候補筆頭とされていることについては僕は個人的に大いに異義ありです。もし、この日の調子で対戦相手がこの次の柳川か藤代だったら、おそらく大阪桐蔭は敗れていたのではないかと思います。大阪代表は毎年、超高校級の才能を持った選手を擁して甲子園に出てきますが、いかんせん野球が大味で安定力に欠けるのが最大の欠点です。そういう組織力を持てない限り、夏の全国大会で日本一になるのは至難だろうと感じさせられた試合でした。マスコミも代表校の強さを有力選手の有無で測るのではなく、もっと総合力で測りませんか?と言いたい。事前の予想があたらないのを「高校野球は何が起こるか分からないから」などという、いい加減で都合のいい言い訳でごまかすのはもうやめにしてはどうかと。試合前の練習を見て、戦力確認をするだけでも勝敗は半分以上分かるのに..。

余談になりますが、大阪桐蔭の捕手の川本、内腿は大丈夫でしょうか?(辻内の速球を喰らった春日部共栄の選手達も気になります。)試合中、終始マウンドに行くときに左脚を引きずるように小走りしてましたし、試合の中盤、センターから一塁への送球をファーストの中田が後へ逸らしてしまった時に、川本がベースカバーせず(できず?)にみすみす走者を2塁に進塁させてしまったのは痛恨のプレイでした。(こういうベースカバーのような地味な部分も、やはり球場で観戦しないと分からない部分ですよね。)2回戦には元気にグラウンドに出てきて欲しいものです。

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2005-08-09

西高と関西が2回戦へ
 ― 2005夏 甲子園観戦記1

昨日は夏の全国高校野球選手権大会の第3日目。朝から観戦に行ってきました。出掛けに色々と手間取ってしまって不覚にも予定より30分遅れの8:15に現地に到着。お目当てはバックネット裏中央 前よりの席だったのですが、こんな時間に着いたのではいい席なんて確保できる訳もなく、バックネット裏の一塁側後方のテレビカメラの近辺あたりから観戦するハメに。ここだと球場全体は見渡せるけど、アングルが高くて球威が分かりにくいのが難点です。

ま、自業自得か..。(- -;;ゞ

第1試合: 京都外大西(京都)4 - 1 菰野(三重)

菰野(こもの)の岡本は100-110kmの緩いカーブに120km台のストレートを織り交ぜる投手で、緩急あって打ちづらそう。西高は中盤に小刻みに加点して試合そのものには勝ちながらも、ついにこの岡本を攻略しきれませんでした。特に終盤にカーブが制球され出して、そのカーブを主体の配球に切り替わった後の岡本の投球は見事で、「よくこの投手から4点も取ったな」というのが正直な感想です。

では西高の勝因はというと、はっきりいって積極性の差がそのままゲーム展開に出てしまったような感があります。菰野は 3回裏 1死 3塁のカウント 1-2(打者は 2番山口)でスクイズなり何なりをベンチが仕掛けなかったことが悔やまれますね。まったく同じ展開が 4回表の西高の攻撃時にありましたけど、こちらはエンドランを仕掛けてきたのが好対照でした。(結局、その時のエンドラン自体はファウルで失敗。1死後、西高は 6番五十川のタイムリーで加点。)西高は 1回表に塁に出た 2番高原が 3番平林の初球に盗塁するなど(普通はじっくりフォームを盗むなり、投手を揺さぶって打者を援護するなり、じっくり行く状況)、終始主導権を握ろうと積極的に動いてました。それほど大きな地力の差は感じられなかったので、3回裏で 1点入れていれば、あるいはもう少し違う展開になっていたかも知れません。

西高は 2番手投手の本田が 140km/h 出るんですね。 1番手の北岡も 130km/h台の直球とややキレのある縦の変化球(スライダー?)があって良い感じでした。

第2試合: 関西(岡山)6 - 5 高岡商(富山)

まず試合前練習はどちらも Bランク以下でしょうか。特に緒戦にも関わらず、関西の練習にテーマがなかったのが気になりました。普通は内野全面クレーということでゴロの確認を念入りにしたり、風が強い時には高いフライの練習をしたりするものですが、そういう工夫は少なくとも僕には見出せませんでした。淡々といつも通りの練習をしているって感じでしょうか。(しかも外野が若干散漫気味。)対する高岡商は野手が全体的に上半身の細かい動作が機敏なのが光りましたが(中継プレイの時のタイムロスが少なくなります。外野手が肩が弱い or ノーコンの時には特に有効)、甲子園レベルとしては若干 肩が弱いのが難点ですね。

練習時に一際目立っていたのは関西の捕手の平井でした。他の選手達よりもひとまわり体格が大きかったのと、肩がやや強そうだったことが目を引きました。結局 試合は終盤、この捕手平井のミスと活躍とで動くことになります。

それにしても、こういう試合前練習を見て戦力確認をできるのが球場観戦の醍醐味ですね。これがあるから、ついつい球場に行きたくなっちゃうわけです。

まず序盤は完全に関西ペース。高岡商のエース細川はストレート・カーブ・スライダー(カットボール?スプリッター系?席が遠くてよくわからない..)と球種が豊富そうな印象を受けましたが、制球に苦しみ、序盤から中盤にかけて関西に痛打され、5回までに5失点。この時点で勝負はほとんど決まったかな、と僕も思いました。

ところが終盤、高岡商が連打と死球を絡めつつ、2死満塁で3番有沢が走者一掃のタイムリー2塁打。さらに8回には2死2塁で、7番松丘への2球目を代わったばかりの2番手投手ダースローマシュがワンバウンドピッチ。これを捕手の平井が弾いてランナーが3塁へ進塁したのですが、平井は1塁ベンチの方に弾いたボールをそのまま見失ってしまい、茫然とする平井を尻目に遅れてカバーに入った一塁手西村が捕球した時には3塁ランナーはホームに生還し、これでなんと高岡商は同点に追いつきます。平井はこの日、このほかにも後逸や散漫なベースカバープレイなどがあって、ここまで攻守ともに精彩を欠いてました。結局、10回裏にこの平井が決勝サヨナラタイムリーを放って試合は関西が勝ちましたが、終盤に追いつかれたのも、試合を劇的な形で決めたのも平井によるもので、観戦している側としてはちょっと複雑でした。

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2005-08-06

明徳義塾の出場辞退に思うこと

こちらは昨日の分です。最近、疲れがひどくて、それが多少文章に出ているかもしれませんが、その時はご容赦くださいませ。(^ ^;ゞ

ちょっと反応がおそくなりましたが、明徳義塾、部員の喫煙問題・部内暴力問題で出場辞退だそうですね。個人的には非常に残念です。ここの馬淵監督、星陵の松井秀喜(現 NY Yankees)の全打席敬遠以来、何かと問題視されることが多かった人ですが、指揮官としての腕は確かだったので、選手個々の能力が上の学校と対戦しても五分以上の成績をおさめることができてましたから。

ここで甲子園に特別な思い入れを持って応援している人に言いたいことが2点。(といっても知っている人には「今さら何を…」というような内容ですけど。)

まず甲子園レベルともなると高校野球は「さわやか」とか「フェアプレイ」とかいうきれい事から大きくかけ離れてしまっていること。よほどしたたかな集団でもない限り、全国大会なんていけないということです。可愛げのある連中なんて、大抵は地区予選で敗退してしまっているはずです。走者が走塁時に体を張って打球を内野手から隠すブラインドや、打者が嫌がるタイミングでわざと塁上の走者に牽制球を入れて打者や走者をじらす程度のことは、甲子園レベルではむしろ基本技術です。そういう一見汚いと思われるような小さな小細工の積み重ねが「奇跡」だの「ドラマ」だのを演出していることが多いんです。これはどの学校でもそう。特に明徳の監督はその辺りをよく押さえて選手を指導・指揮し、明徳義塾を全国有数の強豪校に育て上げた人です。そのことを知った上での好き嫌いについては、僕は何もいうつもりはありませんけど、甲子園というレベルでは、きれい事やフェアプレイだけで「奇跡」や「ドラマ」なんて起こらない世界だということだけは心のどこかに引っ掛けておいて欲しいと思います。「汚い」のではなく、それは必要な「技術」や「工夫」なのだということです。

それと甲子園球児は、甲子園に出場するために、普通の高校生が当たり前にしている さまざまな娯楽や行事を大幅に犠牲にしてグラウンドに立ってます。最近、昔からの高校野球ファンの中に、自分の中で勝手に作り上げた理想像にもとづいて、高校球児が眉毛の手入れをしているくらいで目くじらを立ててる人が増えてるようですが、彼らにしてみれば、空調の効いた部屋でのんびりビールをすすりながらテレビ観戦している人にそんなことを言われたくはないはず。(と偉そうなことをいいつつ、実は僕も本音をいえば眉の手入れに好感は持っていないのですけど。)だからといって僕は喫煙を良しとするつもりは毛頭ありませんが、少なくとも人間として、あるいは青少年として超えてはいけない一線を越えていない限りは、やはりもう少し大らかな目で彼らを見てあげるべきだと思います。

いい忘れていましたが、以上に書いたことは、喫煙問題や暴力問題を秘匿していたこととはまったく別問題です。まして今回は金銭も絡んでいるようですし、暴力問題の方は被害者が転校まで考えていたこと、高野連に投書まであったことなどもあって、特に無関係だった選手たちには気の毒ですが、喫煙した選手だけの問題にとどまらないようなので出場辞退はやむをえないでしょうね。

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2005-08-03

夏の甲子園 組み合わせ決定

いよいよ、夏も本番。甲子園の季節が今年もやってきました。

三回戦までの組み合わせが決まったようなので速報しておきます。太字は個人的な注目カード(というか、比較的ハイレベルで見所が多いカード)です。あ、はっきりいって独断と偏見にもとづいています。用量用法を守って正しくお使い下さい。

8月6日(土) ― 第1日 ― 9:00 開会式
10:20第1試合 [ 1回戦 ]鳴門工(徳島) - 宇都宮南(栃木)
12:50第2試合 [ 1回戦 ]青森山田(青森) - 智弁和歌山(和歌山)
15:20第3試合 [ 1回戦 ]天理(奈良) - 国士舘(東東京)
8月7日(日) ― 第2日 ―
8:30第1試合 [ 1回戦 ]別府青山(大) - 東北(宮城)
11:00第2試合 [ 1回戦 ]秋田商(秋田) - 遊学館(石川)
13:30第3試合 [ 1回戦 ]近江(滋賀) - 桐光学園(神奈川)
16:00第4試合 [ 1回戦 ]聖光学院(福島) - 佐賀商(佐賀)
8月8日(月) ― 第3日 ―
8:30第1試合 [ 1回戦 ]京都外大西(京都) - 菰野(三重)
11:00第2試合 [ 1回戦 ]高岡商(富山) - 関西(岡山)
13:30第3試合 [ 1回戦 ]大阪桐蔭(大阪) - 春日部共栄(埼玉)
16:00第4試合 [ 1回戦 ]藤代(茨城) - 柳川(福岡)
8月9日(火) ― 第4日 ―
8:30第1試合 [ 1回戦 ]済美(愛媛) - 旭川工(北北海道)
11:00第2試合 [ 1回戦 ]愛工大名電(愛知) - 清峰(長崎)
13:30第3試合 [ 1回戦 ]宇部商(山口) - 新潟明訓(新潟)
16:00第4試合 [ 1回戦 ]静清工(静岡) - 江の川(島根)
8月10日(水) ― 第5日 ―
9:30第1試合 [ 1回戦 ]姫路工(兵庫) - 酒田南(山形)
12:00第2試合 [ 1回戦 ]松商学園(長野) - 沖縄尚学(沖縄)
14:30第3試合 [ 2回戦 ]明徳義塾(高知) - 日大三(西東京)
8月11日(木) ― 第6日 ―
8:30第1試合 [ 2回戦 ]熊本工(熊本) - 前橋商(群馬)
11:00第2試合 [ 2回戦 ]駒大苫小牧(南北海道) - 聖心ウルスラ(宮崎)
13:30第3試合 [ 2回戦 ]福井商(福井) - 日本航空(山梨)
16:00第4試合 [ 2回戦 ]銚子商(千葉) - 鳥取西(鳥取)
8月12日(金) ― 第7日 ―
8:30第1試合 [ 2回戦 ]樟南(鹿児島) - 花巻東(岩手)
11:00第2試合 [ 2回戦 ]土岐商(岐阜) - 高陽東(広島)

大阪桐蔭 MAX 155km/h 本格派左腕(!)辻内

1回戦は好カードが分散していてとっても微妙ですが、観戦に行くとすれば 8・9・10日のいずれかですね。8日は何と言っても大阪桐蔭×春日部共栄戦。このうち大阪桐蔭は、清原を超える高校通算64本のホームランを打ちながら、走攻守三拍子揃ったオールマイティ型の超高校級野手である平田と、MAX 155km/h のストレートを投げる辻内が注目!特に辻内は本格派左腕という意味では 20・30年に一人の逸材といっても良いほどで、ある意味では松坂(現 西武)よりも稀少な逸材といえるでしょう。(何だか微妙に PL の桑田・清原(ともに現 巨人)を思い出しますね。まあ桑田は右でしたけど。前に実見した超高校級の本格派左腕となると、もう10年近く前になるかもしれませんけど関西学院高校の吉年滝徳(元 広島。今は?)でしょうか。ただ 140km/h 台だった吉年よりも辻内は 10km/h 近くも速いんですよね。)ただし、側聞するところでは辻内の完成度は松坂などに比べるとまだまだのようで、特に制球力に課題がありそうです。1回戦ということもあって優勝候補の大阪桐蔭も本調子ではないでしょうし、相手も春日部共栄ということもあるので楽勝とはいかないでしょうから、若干試合展開が荒れる可能性もあります。そのあたり、両校の試合運びにも注目です。春日部共栄は、足を絡めながらコツコツと揺さぶる策を取ると考えるのがごく常識的ですが、地区予選決勝では9回2死から3点差をひっくり返したとかで、打線に粘りもあるようです。はてさてどう出てくるか。

完成度の高い組織野球で春夏連覇を狙う愛工大名電

9日は愛工大名電が登場します。東京や大阪地区は個々の選手のポテンシャルは非常に高いですが、如何せん野球が大味な傾向があります。それに対して愛知県の代表校は、個々の選手の基本能力こそ大都市圏に劣りますが、例年 全国で最も完成度の高い「野球」をしてくるチームを送り出してきます。特に機動力野球や、手堅い守備、堅実かつ抜け目のない戦術など、むしろプロ野球などでは見られない、高校野球の真髄ともいうべき戦術や技術を惜しげもなく披露してくれるので、毎年楽しく観戦させてもらってます。まして今年の名電は春の大会の覇者です。高校野球の醍醐味を見たい方にはうってつけのカード、じっくり堪能しましょう。

爆発的な個人力の日大三高と試合巧者の明徳義塾

10日は明徳義塾×日大三高。これしかないでしょう。名電同様、全国で良くも悪くも最も完成度の高い野球をしてくる試合巧者の明徳義塾と、ほとんど敵なしというくらい、圧倒的な実力差で西東京大会を勝ち上がってきた日大三高。ほかのカードもそれなりに見所はあるのですけど、おそらく、この日はこの試合だけまったくの異次元世界になるはずです。選手の個人能力の高い日大三高を明徳義塾の組織野球がどう攻略していくかが見所でしょう。なお、明徳義塾の投手 松下はサイドスローです。彼がどこまで三高打線をかわせるかで展開が大きく変わってくるだけに、特に序盤の立ち上がりは要注目。

さて、どの日に行ったもんでしょうね..。迷いますねぇ。

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