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2007-04-17

CSS Nite Shuffle レポート

画像:CSS Nite shuffleバナー日刊徒然音声雑記などでお馴染みの境祐司さんのご招待で CSS Nite Shuffle に行ってきました。(境さん、ありがとうございました!)

境さんとは、知識共有や暗黙知まわりでお話することができましたが、このあたりはまたいずれ(必ず)。

天気は冬に逆戻りしたかのような冷たい雨。会場は、渋谷のラブホテル街の中にある、ライブハウスということで、なんだか妖しくも不思議な気分でした。(笑)

Special Contents

ライブハウスならでの演出があるとは聴いていましたけど、まさか弦楽四重奏とは思いませんでした。境さんとなぜか最前列の真ん中の席に座ったこともあって、ちょっとしたサロンみたいで贅沢な気分になれました。特に奏者(4人とも女性)の紹介がなかったところを察するに、アマチュアの方でしょうか?曲目は全部は覚えてませんけど、モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジーク、バッハの G線上のアリア、ヘンデルの水上の音楽、星に願いをなど、有名曲の抜粋もしくは編曲版といったラインナップでした。

さすがに最前列で、あれだけ至近距離にいると、各声部が驚くほどはっきり聞き分けられて、予想外に刺激的でした。

長谷川恭久: エコなWebデザイナーになろう。

いきなり裸足でご登場。

僕も司会の鷹野さん同様、「エコな」演出かと思いきや、雨で濡れた靴だと音がうるさいから脱いだとのこと。しかも、おもむろにデジカメを取り出して、ギャラリー側を撮影されたりして、気持ちいいくらいの砕けっぷりでした。むしろ、最前列に座ってた僕の方が緊張してたくらい。(笑)

CSS Nite 大阪での同名のプレゼンの焼き増しという話でしたけど、拝聴して再演したのも納得しました。内容は、コード・画像・システム・言葉(テキスト)の節約と再利用性の向上が中心で、目新しい点こそありませんでしたが、各種 SPAM や冗長で汚いコードの垂れ流しなどを、環境汚染に見立ててリソースの節約とリサイクルを説く...というメタファは、Web 標準コーディングの啓蒙には案外有効かもしれないと感じさせられました。(ほかに共有や実践の推奨という話も。)

余談ですが、この時 境さんとお話してたのは、リッチコンテンツラインナップの前にエコな話を持ってくるのはいいんだろうか?という点。(笑) でも、Adobe/Apollo vs Microsoft/WPF という適度な対立軸があった方が、見る側には刺激が増すのかもしれません。(少なくとも現段階では、厳密には競合しないでしょうけど。)

太田禎一: ついに出たApolloのパブリックベータ、インストールから向かうビジョンまで

春日井良隆: そもそもWPFとは?WPFで何ができるのか?

続いては、Adobe Japan(Macromedia 出身)の太田禎一さんと、Microsoft(実は Adobe Japan 出身)の春日井良隆さんによる、最新のデスクトップアプリケーション絡みのセッション。この日の目玉ともいうべきセッションで、これを楽しみにいらしてた方も多いのではないでしょうか。それぞれのアピールポイントは概ね以下の通り。

Apollo(Adobe)
Web系開発者がすでに身につけている Web のスキルを利用して、クロスプラットホームに対応したデスクトップアプリケーションが手軽に開発できる。
WPF(Microsoft)
3D レンダリングや ClearType による、フォントのアンチエイリアシングを軸に、視覚的な表現力に強い。

結論からいえば、amachang さんも質疑応答で「それって普通に JavaScript 書くのと、どう違うの?」的な質問をされていましたけど、かえって疑問が浮き彫りになったような印象が拭えませんでした。(僕も amachang さんのように事前に質問を準備してくれば良かったかも。問題点の整理だけで手一杯で、とても質問どころじゃなありませんでした。)

  • 脱ブラウザ化のメリットがとても不鮮明。
    (「既存の Web 制作スキルで開発可能」と「脱ブラウザ」というアピールポイントが思いっきり衝突してしまっているのが原因。)
  • デスクトップアプリ ←→ ブラウザ間のウィンドウ遷移が煩わしそう。
    (たとえば、デスクトップアプリケーションのサンプルイメージとして上がっていた FlickrUploadr にしても、Web ベースのアップローダーの UI の使い勝手が向上すれば、ユーザーがどちらの選択肢をチョイスするかは微妙だと思う。)
  • 多数のデスクトップアプリがローカルに氾濫するのは、再利用性やリソースの節約という「エコ」な考え方に逆行するような気がする。
  • このままでは、むしろ、すべてブラウザ内で解決できてしまった方が便利という印象が拭えない。(もちろん、従来型の Web コンテンツの利便性を上げることは、常に実装の複雑さやセキュリティ・アクセシビリティなどとのドレードオフがつきまとうことも、我々は念頭に置いておくべきなんでしょうけど。)

さらに WPF についても、根本的な疑問が。

  • 結局、環境依存。(Windows。それも Vista と XP のみ。)
  • 3D 処理が重すぎて、少なくとも現時点では、あまり現実的な選択肢とは考えにくい。

WPF は、WFWCFWCS などと共に、Microsoft の .NET Framework 3.0 を構成する要素のひとつなので、本当は WPF 単体で評価を下すのはフェアではないのかもしれませんが、どのみち、.NET Framework 3.0 全体で評価したところで、そんなに結論が変わるとも思えないので、ここは他の構成要素は無視しておきます。)

WPF に関連して、昨日発表された、クロスプラットホーム、クロスブラウザなプラグイン "SilverLight" の話も出てましたが、ひとまず割愛。(一日 経った今でも、まだ頭の中がぐちゃぐちゃなので。)

北村健・松岡清一: リッチコンテンツ制作に求められるセンスとスキル

BAPE.COM における .exe 形式の EC サイトビューワーや、証券会社の入力フォームのログ解析と実装に関する話とデモが中心。前の Adobe とMicrosoft のセッションを、具体的な実装のアイディア面から補完してくれるような位置づけになると思うんですが、やはり(少なくとも僕には)デスクトップアプリケーションのメリットを見出すには至りませんでした。ただ、いくつか鍵になりそうな発言もチラホラ。こちらも、まだ頭の中がぐちゃぐちゃで整理しきれてないので、今はひとまず、その鍵になりそうな発言内容と、そこから感じたことのリストで勘弁してください。(メモが追いつかなかったので、間違っていたら指摘してください。考えごとをしながらメモを取ってるから、どっちつかずになるんでしょうね、まったく..。)

「(A Bathing Ape で)デスクトップをジャックしよう!」
マーケティングツール・ブランディングツールとしてのデスクトップアプリという考え方は、なるほどと思った反面、細かい目的に特化したアプリケーションが(まして EC サイトごとのアプリが)ローカルディスク内に氾濫するという未来像は、あまり想像したくありません。きっと遠からず、デスクトップアプリを管理・検索するツールが出てくるんでしょうね。あるいはアプリケーションランチャーのようなもの、もしくはアプリケーションランチャーそのものかもしれません。(ちなみに僕は、アプリケーションランチャーは Mac では Quicksilver、Windows ではちょっと古いですが Moonlight を使ってます。)
「BAPE さんにとって、(Web ブラウザは)余計な UI ばかり」
目的に特化・最適化された UI の提供は、確かにデスクトップアプリの有利な点かもしれませんね。これは確かに一理あります。Web ブラウザのメニューバーやツールバーくらいは、意に介するに値しないという意見も、もちろんありうるとは思いますが。
「SSL 通信への対応」
Apollo や WPF ではこのあたりを期待しているとのこと。iTunes のような、EC 型ネットワークアプリには必須要素ですよね。この話が出て初めて気づきましたけど、EC という視点でデスクトップアプリを掘り下げた話をあまり聴かない気がします(僕が知らないだけでしょうけど)。Amazon あたりがデスクトップアプリを出してきたら、迷わず使ってみるところなんですが...。
「入力フォーム(セッション)のタイムアウト」に対して「途中まで入力したデータをローカルに保存」できるようになる?
レジューム機能のようなものが実装できるようになってストレスが軽減されるなら、それ自体はうれしいことですけど、やはり実装やセキュリティとのトレードオフはついてまわりそうな気はします。
「エコ」
冒頭のヤスヒサさんとの絡みの発言。ここを聞き逃したのが、この日、イチバンの痛恨でした(半分パニックに)。Flash や Ajax、動画コンテンツといったリッチメディアとエコって、一見、相性が悪そうですけど、そこに敢えてアクセシビリティやエコな考え方を持ち込むことは、大いにアリだと個人的には思います。Ac+C'04 アワードでも、「アクセシブルな Flash 」という観点からの採点が入ってましたけど、これだけで立派に一分野になるんじゃないかと。Shuffle 終了後に、同じエコでも、サーバーサイドにとってのエコと、クライアントサイドにとってのエコは別個に考えた方がいいのかなぁ...なんてことを考えながら帰路につきました。

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コメント

DC さん、こちらこそ、いつもお世話になってます。

リッチコンテンツって、目的と使いどころの問題で、必ずしもいつもいつも悪ってわけじゃないんですよね。リッチコンテンツだからこそできることもあるわけですし、そこにより多くの人がストレスなくアクセスできるようになるなら、こんな素晴らしいことはありませんし。

もっとも、作り手としては、僕はリッチコンテンツは苦手なので、アクセシブルでエコなリッチコンテンツは、それを得意とされているクリエイターさんに委ねたいところではありますけど、DC さん、いかがですか?...といってみるテスト。(^o^;ゞ

投稿: ゆう@管理人 | 2007-04-18 17:20

鷹野さま

こちらこそ、お会いできてとても嬉しかったです。

Web 業界って、会社や個人によって、かなりスキルにバラつき感があるので、鷹野さんの主催されている、オープンで安価なイベントの存在は、とても重要だと強く感じてます。かくいう僕自身も、イベントを通して、刺激を受けたり、色々と勉強したりしていきたいと思ってますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

投稿: ゆう@管理人 | 2007-04-18 17:08

さっそくの詳細レビューありがとうございます。
また、お会いできて嬉しかったです。

投稿: 鷹野 | 2007-04-18 10:11

いつもmixiでお世話になってます。DCです。

そうそう首都にはいけない環境なので、ゆうさんの記事興味深く拝見させて頂きました。
長谷川恭久氏の話は気になります。

私もリッチコンテンツとエコ、の絡みは気になります。いつもそこでどうバランスを取るか、迷ってもがいて決めています。

この方の講演は本当にうまいなあと感じてしまいます。ので今年中に一回はまた直接きいてみたいなあと、思っています。

自分ももっとエコなデザイナとして精進するためにソースの資源化しないとなあ。

投稿: Dancingcloud | 2007-04-18 09:36

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