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2006-10-24

Web クリエイターにオススメの読み物2点

最近、少しずつかじり読みをしている2冊ですが、いずれも知る人ぞ知る名著で、しかも Web上から、無料で全文を入手して読むことができます。中身は英語ですけど、特に Webデザイナーや Webプログラマーの方にはオススメです。

  1. Karl Fogel. Producing Open Source Software
  2. Apple Computer,Inc. Apple Human Interface Guidelines

(以下の書影つきのリンクは書籍版。それ以外の本エントリー内のリンクはすべて Web版へのリンクです。)

Producing Open Source Software

Producing Open Source Softwareは、ひとことで言ってしまえば、いわばオープンソース開発の教科書

(表紙が動物のイラストじゃないけど)あの O'Reilly が出している、オープンソースソフトウェア開発の概説書なんですが、バージョン管理やバグトラッキング、リリース周り、ライセンスといったオープンソース開発についてまわる基本事項が、とても要領よく、満遍なく記述されています。しかも、オープンコピーライトで全文が Web上から閲覧・ダウンロードできるようになっている点が何にもまして素敵です。

Producing Open Source Software is a book about the human side of open source development. It describes how successful projects operate, the expectations of users and developers, and the culture of free software.

(超訳: "Producing Open Source Software" は、オープンソース ソフトウェア開発における、(プログラム側ではなく)人間側のことを扱った本です。いかにしてうまくプロジェクトを機能させるかや、ユーザーや開発者に求められるべきこと、そしてフリーソフトウェア(いわゆる「自由なソフトウェア」)の文化背景などについて記述されています。)

(発売元が O'Reilly なので、遅かれ早かれ、目に入ったとは思いますが)この本の存在を知ったのは、Firefox の開発者として知られる Ben Goodger のブログエントリー(Inside Firefox: Producing Open Source Software)からで、そこに彼の批評が簡潔に書かれています。

Karl's book is very well written, nice and compact (272 pages), and contains useful information for anyone doing anything in the Open Source world: both developers and managers.

It will help people new to Open Source get a better understanding of how OSS projects are run. It will help people familiar with Open Source to get a better understanding of how to contribute more effectively.

It's definitely a "must read".

(超訳: カールの本は、とてもよく書けていて、272ページとちょうど手頃なサイズだし、それにオープンソースの世界に対して、あらゆる形で携わる、すべての人にとって(開発者にも管理者にも)有益な情報が収録されている。/ これから新たにオープンソースに触れる人には、どのように OSS(オープンソース ソフトウェア)プロジェクトが動くのかについて、よりよく理解できるようになるだろうし、すでにオープンソースに馴染みのある人にも、どうしたらもっと効率的に貢献できるかについて、よりよく理解できるようになるだろう。/ これは間違いなく "必読" の一冊だよ。)

というわけで、Ben いわく、「必読」だそうです。

Apple Human Interface Guidelines

本ドキュメントのポイントは Part 1(第1章)。ここにユーザビリティを踏まえた、ユーザーインターフェイス設計のノウハウが詰まってます。

Apple Human Interface Guidelines は、Apple が出している古典的名著で、ここで紹介するのはその最新版。

OS X になる前の版は、実は日本語版も出ていたんですが、大分前から絶版状態です。(少々、高くても構わない人は別として)非常に入手困難で、再版運動が起こるほど一部の人たちの間で人気の本なんですが、旧版を僕はまだ手にとって見たことがありません。ですから、旧版とこの最新版の間にどこまでの違いがあるのかは、残念ながら僕ではわかりませんが、インターフェイスデザインの基本というのは、そうそう簡単に変わるものではないのでは..と思って、このページを探してあてて読み始めました。ただ、全体的にかなり OS X 色が強くなっているのは確かです。

基本的には Mac OS X アプリケーションを開発する人に向けた Apple のガイドラインなんですが(具体的・技術的なガイドラインは Part II: The Macintosh Experience, Part III: The Aqua Interface にあります)、ここで強調しておきたいのは、むしろ Part I: Application Design Fundamentals の方です。この Part I に、ユーザーインタフェイス デザインのエッセンスが詰まっていて、"ユーザー エクスペリエンス" とか "ユーザビリティ" とか "情報デザイン" とかいった言葉にビビっとくる方などは、特に要チェックです。(この部分は Mac に関心のない方にも、一読の価値があるかと思います。現在でも需要はそこそこあるだろうし、誰か翻訳してくれないかな..なんて言ってみるテスト。(笑) )

余談: Mac の UI のちょっとした工夫

もともと Apple の UI デザインって、至るところに細々とした配慮がされています。たとえば、文書保存時の確認ダイアログひとつをとっても、Windows だと、以下のように、"[文書名]への変更を保存しますか?" というメッセージに対して、"はい""いいえ"、"キャンセル" というボタンが用意されます。

Dialog

これに対して、Mac では "閉じる前に書類の変更内容を保存しますか?" という、やはり似たようなメッセージに、"保存する""保存しない"、"キャンセル" というボタンが出てきます。(ここでは Windows + EmEditor, Mac OS X + JEditX を例に挙げてますが、これらは Windows / Mac におけるスタンダードなスタイルで、ほかのアプリケーションでも、ボタンのラベルはほとんど変わりません。念のため。)

Mac OS X のダイアログ

この違いの意味、わかります? Mac の方は、極端な話、ダイアログメッセージを全く読まなくても、ボタンのラベルを見ただけで、そのボタンがどういう動作をするのかを推察できるようになってるんです。Windows の方は、ダイアログメッセージの最後が、肯定文になっているか、否定文になっているかを確認するまで、それぞれのボタンの動作内容がわからないので、その分、ユーザーのフラストレーションや、誤操作のリスクが増えてしまうわけです。

なお、余談ですが、このガイドラインが公開されている Apple Developer Documentation には、Safari CSS Reference など、Apple 製品に関する様々なドキュメントが置かれていて、これまた一見の価値ありです。

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