« Firefox 1.1 は 1.5 として 9月にリリース | トップページ | 本日の晩餐 ― 中国菜 燕燕 »

2005-07-24

立命館孔子学院、今秋開校

中国政府の国家プロジェクトが海外進出

過去、もっとも急進的な紅(共産主義)系大学でありながら、今や国内屈指の資本主義学校法人となった立命館大学が、今秋より中国政府と提携して「孔子学院」なるものを京都の衣笠キャンパスに創設するそうです。この「孔子学院」は中国国外での中国語や中国文化の普及を目的とした中国政府の国家プロジェクトの一貫で、現在、韓国(漢城孔子学院)・スウェーデン・ウズベキスタン・アメリカ(メリーランド大学)・日本(立命館大学)の計5カ国での開設が決定していますが、今後数年で中国内外で 100校程度 開校することを目指す方針なのだそうです。(基本的に語学の修得がメインなのになぜ「孔子」学院なの?と思ったのは僕だけでしょうか?)なお、「立命館孔子学院」の調印式は先月28日に東京の中国大使館にて行われたそうですが、中国政府から記念に贈呈された孟子像の除幕式が一昨日、立命で行われたようです。孟子像が特に立命に贈られたのは、もちろん立命館大学の校名が『孟子』の身を修めて以て之れを俟(ま)つは、命を立つる所以(ゆえん)なり(尽心篇)に由来するためです。

主導権は基本的に中国側

この「立命館孔子学院」では学生や社会人を対象に、中国語( HSK 対策の講座を含む )や中国文化に関する講座を開設するのが主目的なのだそうですが(時折、中国系メディアの記述をそのまま引用して「漢語」としている国内メディアがありますが、もちろんこれは現代中国語のことです)、中国語講師の育成も目標のひとつとして挙げられています。このプロジェクトは基本的に中国政府主導で行われているようなので、講師陣は中国から派遣され、またテキストも中国側で用意するものを使うことになるとか。資金と運用面における計画性や透明性などがどうなっているのか非常に気になるところです。(僕は異文化理解はむしろ大賛成なのですが、動機が不純だと遠からず実効性が失われていくものですし、ましてそれが政治的な要求によるものだとすれば、現場での実情は往々無視されるのが普通で、有名無実化は時間の問題になる可能性が高いでしょう。)

実情とのギャップが落とす影

そもそも中国国内では慢性的に日本語の教師が不足していて、日本からの留学生に日本語講師のアルバイトを依頼しているところも少なくないほどです。そんな実情で果たして派遣されてくる中国側の講師のうち、どれだけの人が日本語を満足に話せ、日本文化と中国文化の差異を理解しているかかなり不安な面があります。先入観や固定観念の強い日本人に中国の言語や文化(特に日本の言語や文化との違い)を正確に伝えるには、教える側の中国人講師が日本の言語や文化を熟知していることが不可欠で、一方的に中国的な(もしくは中国政府=中国共産党の?)考え方を押しつけ気味に講義したのでは期待できる効果はたかが知れています。その意味で派遣されてくる講師陣が優秀で平衡感覚をも備えた方々であることを願ってやみません(過去に日本人でも見たことのないような優秀な中国人に幾人か出会いましたが、そんな人は極々少数ですし、そんな人材を100校分確保するなんて土台無理ってもんでしょう)。ひるがえって受け入れ側の立命館大学の方ですが、『論語』に人にして遠き慮り無ければ、必ず近きに憂い有り(衛霊公篇)とあるように、大勢のあぶれている国内の若手研究者の雇用問題を無視して、立命館孔子学院における学費と日本国民の血税でまかなわれた費用で、中国人講師の雇用を優先的に創出することになるわけですから、当然、さまざまな反発が予想されます。立命の理事会の政治的パフォーマンスなどと言われぬよう、適切な運営を期待したいところです。(と理性的に書いてみる..。(笑) ちなみに誤解のないように断っておきますと、僕はどちらかといえば親中派です。でも、実情を踏まえた上での親中派なので、何でもかんでも「中国がイイ!」とは言いません。日本同様、ダメなところはダメだとはっきり言うつもりですので、悪しからずご了承おきを。)

|

« Firefox 1.1 は 1.5 として 9月にリリース | トップページ | 本日の晩餐 ― 中国菜 燕燕 »

[生活]教育」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/15394/138996

この記事へのトラックバック一覧です: 立命館孔子学院、今秋開校:

« Firefox 1.1 は 1.5 として 9月にリリース | トップページ | 本日の晩餐 ― 中国菜 燕燕 »